ブラスタ★考察 真珠と夜光 対の曲

雨傘×沈まぬ月

この2曲は絶えず殺伐としたブラスタ内に青春の風を巻き起こした名公演でした。

この公演で大事なのは、お花ですよね。二人とも持っています。
水仙の花言葉…うぬぼれ、自己愛。
ユリの花言葉…純粋、無垢。

真珠の背景は色んなものがごちゃごちゃしていて、対して夜光はユリを一本だけ持っていて、対照的な演出です。心を暴かれたくなくて、たくさんの不純物で覆い隠す真珠と、本音の本心で挑んでる夜光といった感じかな。

試しにイラストを並べてみたら、視線が交じり合う気がして、ハッとした顔で見上げる真珠がとてもリアルに感じます。夜光は悲しそうですね、心情が読み取れます。

花を贈りあってるとするなら、
真珠は「リンドウに反発したりして、うぬぼれんなよ」と言い
夜光は「純粋な気持ちなんだ」と言ってると解釈できますね。夜光のこの部分はgravitateの「是非を理由を問われても、感情に嘘をつけないだけ」に繋がります。

沈まぬ月は歌詞が、夜光の心情そのままなので、特に書くことはないですが、一つだけ「暁の夢が君を描き出した」の部分は「夜が明けるように、夢にまで見た君が現れた」と訳します。真珠の公演をはじめて見た時の夜光です。

雨傘も真珠の心情そのままですね。対決公演前の真珠です。

沈まぬ月と雨傘の歌詞を要約すると、雨傘はすれ違いの曲、沈まぬ月は裏切りの曲です。対決公演をする前の心情を語ってます。夜光は本当に真珠を大事に想っているんですよね。それが全く真珠に伝わってないことを絶望しています。それでも身を捧げるつもりなんです。原典の「金色夜叉」の主人公、間貫一は夜光そのもので、お宮は真珠です。貫一の真っすぐな想いとプライドの高さがあまりにも夜光に似合っていて、夜光の解像度がぐんっと上がりました。真珠が「夜光の演技に圧倒された。最後のお宮を許すシーンなんて…」と言ってましたが、それもそのはず。だってお宮は君だよ。
雨傘の原典は「たけくらべ」で、曲から察するに真珠は真如で夜光は美登利なのでしょう。夜光の優しさが逆に煩わしかったり、物を投げる行為に等しいと解釈できます。「僕はどうして胸が苦しいのだろう」と歌って、自分のことが全く分からないみたいで、曲がちゃんちゃらした音で歌詞もふわっとしていて、当時の真珠をとてもよく表しています。しかし気になる歌詞が一つあって「ふれてほしくない僕の裏側を叩く」と言ってるんですよね。真珠は蓋をしておきたい何かがあって、夜光はそれを暴きたいのです。

夜光の本当の気持ちを分かった後の真珠、一人後悔の念に駆られてレッスン室の床を濡らします。せっかく分かったのにもう君はいないのかと、やりきれない気持ちでいっぱいで…。

最愛の人を裏切り続けていた、それでもあなたにその人は、懇親的な愛をずっと注いでた…たけど気づいたときには遅すぎて、もういなくて。
…悔やんでも悔やんでも、死にきれないですよね。

だけどね、夜光は帰ってきます。俺も死にきれないよと言って。その時の真珠の気持ちはvioletです。

violet×prismatic tear

二人で同じポーズをして、光の方を見ています。想いが通じ合ってるなと感じます。violet の筆の色が夜光と真珠のイメージ色と一致。
violetの原典は「うたかたの記」。巨勢が夜光で、マリイが真珠です。巨勢はマリイを忘れられず、探していました。マリイは身を守るために、偽りの姿を演じていると巨勢に伝えます。
ですが、最後は逆になって、死ぬのは夜光で、憔悴しきって跪くのは真珠の方です。

violetは誓いの曲。君をもう孤独にしないと真珠が言うのです。闇への道行きをひとり、の夜光を思い出しませんか?
紫の菫の花言葉は貞操、愛。

prismatic tearは題名からして、どストレートですよね。プリズマティックは光の反射が多彩で虹のような状態で、ティアは涙です。多彩な涙って、人魚の涙と言われる真珠のことじゃないですか。これを題名にするのですから、真珠を指さして歌ってるようなものです。

「色褪せた昨日などいらない 確かめたい君という名の光」
→過去にもう囚われない、君に触れたい
「いばらの棘じゃこの想いはとめられない」
→相当な覚悟。MVでは白薔薇なのに、ジャケットイラストは棘が赤いから血なのかなと思った。
「hide and seek」
→かくれんぼ
「今日を知らない君の明日を奪う無慈悲な呪い」
→リンドウとの関係。真珠を飼い殺しにしている。沈まぬ月の対決公演でリンドウに「あなたは相当なエゴイストだと思っていました」と夜光は言っていましたが、マイカに頼りっきりで、中途半端にトップをやっていて、真珠をその程度にしているのが夜光は我慢ならなかったのでしょう。
真珠も状況に甘んじていて、見ていられなくて、この真珠にかかった呪いを解き放ちたくて、センターを乗っ取ったり、リンドウに挑んだり、真珠と対決をしました。
「朧の森で君に伝えたいことがあるのさ」
→夜光の君は朧の森にいる。沈まぬ月のMVも森でしたね。そして「僕のすべてを君に捧げる」のMVも森と満月がテーマ。
「閉ざされた扉は開かれて星影が震える」
→夜光の君は閉ざされた扉の向こうにいる。呪いが解ける。君は震えてる。

prismatic tearの原典は眠り姫。
薔薇の迷路で真珠が必死に僕を見つけないでと隠れてるのに、夜光がお構いなしに薔薇の通路ごと素手で破壊しながら、あきらめるものかと真珠を探している、そんな情景が浮かびました。

白いバラの花言葉は純潔、純粋、私はあなたにふさわしい、深い尊敬
赤いバラの花言葉は愛情、情熱、あなたを愛しています、美、ロマンス


gravitate×levitate

こちらは少しトリッキーでしたね。ずっと銀星とケイの曲だと思ってました。ですが、銀星が台本を読んで、シンガーは夜光にやってもらいたい。ぴったりだと思った、みたいなことを言っててですね…そっか、じゃあ夜光の曲なのかと。確かに歌詞は夜光を思わせるなあと思ってましたし…

でしたら対の曲なのにケイっておかしくありません?

そしたら閃きました。2年目クリスマス公演で真珠とケイは何故か対決公演をするはめになりますよね。これもおかしいですよね。明らかに下っ端の真珠とケイ様の対決なんて。だから敢えてなんだと。真珠とケイを何かしらの意図があって並ばせてるのだと思いました。

おそらく真珠はケイみたいにスターレスの中心人物になる気がします。

ブラスタ公演は当て書きです。誰かの人生を誰かが演じていたり、誰かの心情をシンガーが歌うのです。この場合は、真珠の心情をケイが歌っているのです。
公演が当て書きってことは、ゲームを遊ぶ我々にとっては曲が公演だから、歌詞が当て書きってことになるんですよね。

まず花についてですが、銀星の方が勿忘草。ケイの方はおそらくニリンソウ。

勿忘草の花言葉は、真実の愛、真の愛、私を忘れないで
ニリンソウの花言葉は、友情、協力、ずっと離れない

ジャケットイラストは片方が沈み、片方が引き上がる構図。まさにブラスタのテーマ、光と闇。
特に銀星の方が印象的で花に口付けしながら左手は十字架のネックレスを握っています。誓い×誓いの重複表現。身も心も捧げますと言わんばかりの、揺るぎのない強い意志を感じます。あなたは私の光で、だから私は闇になる。あなたを引き上げる闇になる、と。あの頃の夜光の胸の内がやっとわかるような気がします。玻璃もきっとわかったんです。だから「光と闇は表裏一体。一方がなくては存在し得ない。ならば強い光があるところにこそ強い影は生じるというもの。燦然と輝く光を底なしの闇が飲み込む。そういうことがあったっていい。」と言ったんです。これはブラスタの理念そのものですから夜光はブラスタを背負ってやってきたんですね。(あのでっかいスターのネックレスが脳裏をよぎる)玻璃はいま、夜光の一番の理解者で、夜光も「そういうことなら、あなたのことを軽蔑します」とはっきりまっすぐ伝える玻璃だから仲良くなったんです。
夜光ってほんと年下の素直で意志の強い人に弱いです。

「さよならなんて言えない」→スターレスに戻ってきた夜光、真珠を探しにきた夜光
「さよならなんて言わない」→誓いの曲、violetを歌っている真珠

without her?×snowflake

ブラスタはケイと真珠を並ばせてると気付けました。ならば、原因であるこの対決公演を考えないわけにはいきません。
without her?は軍人のアンドレイ視点。snowflakeはアナトール視点。

アンドレイは軍人ですし、原典の内容と歌詞を考慮すると、without her?は夜光の歌になります。
snowflakeはケイが歌ってますし、歌詞を考慮すると、真珠の歌になります。

なので、without her?のナターシャは真珠で、snowflakeのナターシャは夜光です。

アンドレイ視点の物語を要約すると、「妻を失い厭世的になっていた」→「ナターシャに出逢い希望を取り戻す」→「ナターシャに裏切られる」→「ナターシャを許すことができないまま軍に戻り、瀕死の重傷を負う」→「自分の過ちを後悔し、深く傷ついていたナターシャは、偶然にもアンドレイの最期に立ち会う」→「ナターシャは許しを請い、二人は和解する」→「愛を確かめ合った直後、アンドレイは息を引き取る」と言った内容。

スターレスの夜光に当てはめると、「真珠がいなくなり、夢は消えて、厭世的になっていた」→「真珠を見つけ希望を取り戻す」→「真珠に裏切られる(覇気が無くなり夢を追わない真珠になっていた)」→「ならば俺がトップになるとリンドウと対決し溺死の重傷を負う(アンダー降格)」→「雨傘沈まぬ月、対決公演で二人は立ち会い、和解する」→「和解したが、夜光はスターレスを去る」

アナトール視点を要約すると、「駆け落ち失敗」です。

真珠に当てはめると、「夜光とアイドルデビューまであと一歩」→「事務所に追放され失敗」

without her?の歌詞も夜光そのものですが、真珠がアイドル事務所を辞めてから対決公演あたりまでの、真珠が眠ってる時期の曲ですね。題名にher(彼女)と書いてあるのに、歌が「彼に想い預けたと知らずに」なんて言ってるんです。つまり彼は彼女であり、彼女は彼なんです。原典を通して考えてみても、どちらかが男役の場合もう片方は女役を演じていることが多いのです。これは性別うんぬんというより、男性エネルギー、女性エネルギーのことで、2人は陰と陽を司ってる意味合いです。

「清らかな春の日を もう君は忘れたの?」
→春は彼らが幸せだった日々の象徴(春は芽吹きや始まりを意味し、彼らはいま冬にいて春を目指している状態。)
「交わした約束 雪の中埋もれて」
→一緒にアイドルになる夢
「君と踊り明かした夢は儚く消えて」
→アイドル候補生時代

snowflakeの歌詞…おやおやおやまあまあ、なんと、激情な…真珠…君の中にこんな迸る熱があったなんて…「奪うようなキス」⁉「熱く濡れた瞳」⁉「思い出すから」⁉…アナトールになぞえられていると言っても、ケイ様が歌っていようが、真珠の当て書きなのでしょう。
時期的にはアイドル事務所を退所した時ですね。真珠もこんなにも葛藤してたとわかります。

「望むなら共に行こう すべてを捨ててでもいい」
→本当は何もかも捨ててでも一緒にいたかった
「喪失の波」
→波は二人の隠語(波は暗号的に考えると離れ離れになった男女を意味する)
「別の恋で埋めれば」
→リンドウとスターレスで踊る
「華やかな舞踏会は終わったんだ」
→アイドル候補生時代
「後ろ髪を引く君の嘆く声 俺の名を呼び求めていたのに」
→夜光のことわかっていたけど、気にしないようにした

このように歌詞を通して心情を解きほどいていくと、また違った景色が見れて楽しいですね。ストーリーを読むだけだと行動理由が不明だった穴ぼこの部分が、埋まっていくような気がします。
大まかなストーリーラインを考えると、自信を失っていた真珠を夜光が救いに来た、そんな風にとらえられます。

真珠念願の同じチームになれるのか、今後に期待ですね。

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