ブラスタ★考察 歌詞から考えるチームP①BELOVED

BELOVEDから辿るレンガの道

私がはじめて遊んだPのイベントはBELOVEDでした。

それまでPにはそんなに興味がなくて、ブラスタの世界観だったり、Bのことばかり考えていました。BELOVED前のイベントが人間失格だったこともあり、ヒースのことやヒースやヒースのことを考えていたので、ほとんどPの曲は聴いて無かったです。

といっても、メインストーリーは読み終わっていましたし、夜光が好きだったのでPの知識は少しばかりありました。真珠の声と独特な歌い方が聴きたくて、たまにソロ曲なども聴いてました。

今でもBELOVEDは本当に大好きなイベントで、Pのことを見つけるきっかけになったし、私にとっては伝説のイベントです。

ではでは、本題に入りまして、
はじめてBELOVEDを聴いたときの印象は「最愛の人に出会った喜びの曲」でした。しかしゲームで遊んで何度も聴いていくうちに「なんだか別れの曲に聴こえる…」と思うようなりました。

前半部分が「君」と出会った思い出話みたいなんですよ。過去を振り返っているんです。あどけない「君」はいつもどこかで諦めたような顔をしていたから「笑って」と連れ出した。陽だまりみたいな小さな「君」と出会って、はじめての「ぬくもり」をもらった。

この曲の主人公はリンドウだと思うので、メインストーリーからして「君」は真珠っぽいですよね。真珠をスターレスに連れてきたのはリンドウですし、真珠はリンドウをとてもよく慕っていたので。

「悲しい時は君も悲しそうで」→一緒に悲しんでくれる
「笑ってalways like you」  →僕も君に笑っていてほしい(いつまでも)
「優しくyou dance for me」 →心配して励ましてくれる

…ここまでの曲の流れが美しくて、愛おしくて、大切で、大好きです。それから…

「僕だって君を守りたいよ」

と歌い、サビに入ります。

ん?
考えてみればここの部分に違和感があって、
これまでのメインストーリーを読んでいても真珠とリンドウはもうすでに守りあっているように見えます。そこで敢えて「僕だって君を守りたいよ」と言ってしまえば、過去を懐かしむリンドウと重なって、「ああ、僕はもう君を守れないんだね」と聞こえてしまうのです。

曲の「君」を「歩幅が狭くて」「あどけない笑顔」と表現するので、子どものような年下の人を愛おしむ情景が浮かびますよね。なので、「僕だって君を守りたいよ」はお父さんが娘の結婚式を前にした、何とも言えない寂しさとか、子どもが大人になる過程の親の心境のような感じがします。

しかし、サビで覚悟のこもった「半分背負わせて」や「僕は生涯離れないから」を聴くと、「やっと見つけたんだ」からもわかるように「出会い」の曲になってるんです。

別れと出会いがこの曲で同時に表現されている。

大変混乱しました。なぜならば、この曲がリンドウが真珠に歌ってる曲ならば、とある事情で真珠が離れようとしているのに、リンドウが付きまとってるようじゃありませんか!?

「見つけたよBELOVED」?「YOU ARE MY EVERYTHING」?「YOU ARE MY ONLY ONE」??

一気に曲がホラーチックになっちゃうので、必死に考えました。
が、案外あっさりと解決しました。
この曲は前半は真珠に宛てていますが、サビは別の人なんです。

そう、マイカです。(ドドドン)

「凛としたlike a flower」…マイカっぽい
「気が付けばmake my day」…リンドウをいつでも何度でもサポートしている
「どんな痛みも半分背負わせて」…リンドウのブラックカードを預かるマイカ(←ここが一番重要!)

サビもね、何度聴いても泣きそうなくらい胸が震えてしまうのだけども…はじめのときPに来たマイカは、歌が合わせられなくて、と自分で思っていて、リンドウに認めてもらいたくて、頑張っていて、責任感が強くて、様々なことが起こるスターレスで、人一倍働いて、一番Pを引っ張ってたんです。

ブラックカードについても、心配だから半ば無理やりにリンドウから預かって、藍と調査してたけど結局死人が出てしまい、マイカも酷くショックを受け、調査は辞めることになりました。
それでもまだ「本当はずっと預かっておきたい」とか「例え結果が同じでも同じことをする」発言からマイカは「僕のすべてを君に捧げる」と言ってるんです。リンドウに。死ぬことも怖くないよって。

マイカのまっすぐな想いがリンドウに届いて、形として現れたのがBELOVED公演でした。
ストーリーを思い出しても、(関係値の最後だったかな)
一人で舞台の演出の確認をするリンドウのもとにマイカがやってきて、二人で波の音の演出について確認するだけの話なんだけども、二人のやり取りが私の胸にジーンと染み込んで、とても幸福な気持ちになりました。

これが言いたかったんだな…とてもしんみりと腑に落ちました。

歌詞の「僕だって君を守りたいよ」はリンドウの二重の想いが表現されていて、真珠への愛おしむ少し悲しげな気持ちとマイカへの覚悟です。「だって」がとても良くて、真珠だと物悲しい感じですが、マイカになると“君が僕を守っていたと気づいたよ”→「僕『だって』君を守りたいよ」になるんですよ。

真珠とマイカへの美しいグラデーションを帯びたフレーズです。

カードもですね、ガチャでのマイカはハイビスカスを一輪だけ耳にかけて、優し気な夕焼けのように振り向きながら、微笑んでいますが、報酬カードの(覚醒前)イラストではリンドウの手元に一輪だけハイビスカスがあったりします。

原典に移りましょう。

フランスオペラ「ミニョン」

原典をまとめるのは非常に難しいですが頑張ります^^)9

♠主な登場人物
・ミニョン…旅芸人一座の娘。女の子とも男の子とも分からない風貌。ミニョンは可愛いの意。
・ヴィルヘルム…将来を決めかね放浪中の学生。貴族の息子。
・ロターリオ…年老いた吟遊詩人。
・フィリーヌ…女優。モテモテ。
・フレデリック…フィリーヌを愛する男の一人。ヴィルヘルムの恋敵。

原典解釈は少し曲と異なるんですが、なぜかと言えば曲はリンドウ主体で進んでいきますが、原典は真珠主体ですので、ちょっと(かなり…)混乱します。

―箇条書きあらすじ―

・ロターリオは幼い頃に攫われた娘を探していると歌う。
・ミニョンは座長に鞭で打たれそうなところヴィルヘルムに助けられる。
・フィリーヌに誘われ演劇に向かう。ミニョンはヴィルヘルムに自分も連れて行ってほしいと言う。
・ヴィルヘルムに子供としか見られていないミニョンは、気を惹きたくてフィリーヌの化粧道具を使い、こっそりと衣装も着る。
・そこへフィリーヌをめぐってフレデリックとヴィルヘルムがやってきて、口論が高じ、二人は剣を抜く。
・驚いたミニョンは衣裳部屋から飛び出し二人を止める。
・ミニョンの格好を見たフレデリックは笑い出し、ヴィルヘルムは感心できないと責め、ミニョンを突き放す。
・フィリーヌもやってきて、ミニョンを咎め、冷たく笑う。
・ヴィルヘルムはフィリーヌに夢中で、ミニョンは悲しく絶望する。
・哀れに思ったロターリオは、演劇が成功しフィリーヌが拍手で祝福される中、邸宅に火を放つ。
・しかしミニョンが炎の中取り残されてしまう。
・ミニョンが逃げ遅れたことを知ったヴィルヘルムは、燃え盛る邸宅に飛び込み、ミニョンを助け出す。
・火傷で重傷を負ったミニョンは、ロターリオとヴィルヘルムに付き添われ、イタリアの屋敷で療養する。
・そこはロターリオの屋敷であった。
・眠ったままヴィルヘルムの名を呼ぶミニョン。ヴィルヘルムはミニョンの愛を知り、また自分も愛していると気が付く。
・ロターリオは思い出の品をミニョンに渡し、ずっと探していた娘のスペラータだと知る。
・三人は喜び合い、ミニョンはヴィルヘルムと結ばれる。

詳しいあらすじ
https://qqcumb.web.fc2.com/mignon-s.html

公演解説

多角的なブラスタにおいての一角であることを踏まえて書きます。(自分はWやC要素も感じたので、今後もしかしたら何かしら繋がってくるかもしれません)

この公演で最も重要なのは、ミニョンが故郷を思って歌った歌です。鞭を打たれるところヴィルヘルムに助けられ、自由の身になったミニョンは身元を尋ねられますが、覚えてるのは湖で(violet原典)さらわれたことだけだと言い、故郷を思って歌います。

J.W.ゲーテ作「ヴィルヘルム・マイスターの修業時」原作バージョン

ミニヨン(君よ知るやかの国)

             J.W.ゲーテ
             
知っていますかあの国を?レモンの花が咲き、
濃い緑の葉陰に金色に燃えるオレンジが実り、
青い空からそよ風が吹きわたり、
ミルテは静かに立ち、月桂樹は高くそびえる。
知っているでしょうあの国を?ああ、あの国に
いとしいあなたと行きたいのです。

知っていますかあの家を?円柱に屋根が載り、
広間はきらびやかに輝き、居間はほの白い、
立ち並ぶ大理石像が私を見つめて尋ねる、
かわいそうな子、どんな仕打ちを受けたのと。
知っているでしょうあの家を?ああ、あの家に
私を守ってくれるあなたと行きたいのです。

知っていますかあの山とその険しい道を?
ラバは霧のなかで道を探しながら進み、
あちこちの洞窟に龍の古い一族が住み、
断崖がそそり立ち、そこに滝がかかる。
知っているでしょうあの山を?ああ、あの山に
この道は続いている!ああ、父よ、行きましょう!

              (訳:船津 建)

https://heinrichfuna.jugem.jp/?eid=84

ハッピーエンドに改変されたオペラバージョン(スターレスの原典はこちらを採用)

君よ知るやかの国

          詞:ジュール・バルビエ
            ミシェル・カレ

知っていますか、オレンジの花咲くあの国を?
黄金(コガネ)色の果実と真紅のバラのあの国を、
そこでは風がやさしく吹き、鳥が軽やかに舞い、
四季を問わずミツバチが蜜を集めている、
そこでは神の恵みのように常春(トコハル)が
いつも青い空の下で輝きほほ笑んでいる!
ああ、どうしてあなたについて行けないのか
運命が私をそこから追放したあの幸せの岸辺に!
あそここそ私が生き、愛し、
また愛し、そして死にたい場所なのに。

知っていますか、私を待つ人たちのいるあの家を?
黄金色の壁に囲まれたあの広間、大理石の男たちが
夜なか手を差しのべながら私の名を呼ぶ広間を?
そして人々が大きな樹の陰で踊っているあの庭を?
そしてあの透き通った湖を、そこでは水の上を軽やかに
たくさんの小舟が水鳥のように漂っている!
ああ、どうしてあなたについて行けないのか
運命が私をそこから追放したあの幸せの岸辺に!
あそここそ私が生き、愛し、
また愛し、そして死にたい場所なのに。

                (訳:船津 建)

https://heinrichfuna.jugem.jp/?eid=84

故郷を懇願する歌ですね…。

これを歌っているのは真珠です。ミニョンは真珠なんです。
しかし演じているのは夜光で、特に
「ヴィルヘルムに振り向いてほしくてフィリーヌの化粧道具を無断で使い勝手に衣装を着た」→「ヴィルヘルムに突き放される」

この部分が「銀河鉄道を探して」の前の夜光、スタンプみたいな演技、劣化リンドウと言われてた時代。つまりリンドウの真似事=化粧道具。センター乗っ取り=衣装。

で、「雨傘」の水仙の花で分かるように、真珠は「うぬぼれんな」と思ってるんですよね。=ヴィルヘルムに突き放される。

私は「君よ知るやかの国」の歌詞を見ると、「銀河鉄道を探して」での夜光が練習してた時のセリフ「ああ、本当にどこまでもどこまでも僕と一緒に行く人はいないだろうか…」を思い出してしまいます。

これに合わせてキャストを考えると、
ミニョン…夜光
ヴィルヘルム…真珠
フィリーヌ…リンドウ

ですが、表と裏の要素も組み込んで考えていくと、役が入れ替わります。

「旅芸人一座で虐げられていたミニョンを助けるヴィルヘルム」=「アイドルの夢を絶たれて途方に暮れていた真珠をスターレスに連れてきたリンドウ」
(ミニョン真珠、ヴィルヘルムリンドウ。)
この時夜光はロターリオ「僕のスペラータ(希望)どこにいるの?嵐のままに彷徨い続ける。あてもなく、ずっと…」

しかし夜光はスターレスにきて真珠に出会ってしまいます。真珠が本当は化粧をして衣装を着たがっている(トップになりたがっている)ことを知っています。だから代わりに演じるのです。真珠は恋をまだ知らないから…。←はつ恋公演
(ミニョン夜光、ヴィルヘルム真珠、フィリーヌリンドウ)

フレデリックとヴィルヘルムが剣を抜く=「銀河鉄道を探して」リンドウと夜光、センター対決公演

自分の命を顧みず炎に飛び込むヴィルヘルムは「沈まぬ月」の夜光、あるいはこれからの真珠。(ミニョン真珠夜光、ヴィルヘルム真珠夜光、ロターリオリンドウ)

最後みんな真実の愛(BELOVED)を見つけます。ヴィルヘルムもロターリオもそれはミニョンのことだったけども、曲のことを思い出すと、「愛に二人 見つけたよBELOVED」と最後に歌ってます。この「二人」お互いに(〇↔〇)見つけたよと思ってしまいますが、これは「僕たちは」「僕たちの」「BELOVED見つけたよ」(〇←〇〇→〇)って話なんです。

もう寂しくないよ、進んでいくよ。そんなお別れの歌なんです。

リンドウを救いに来たマイカ
真珠を救いに来た夜光

真珠とリンドウはお互いにお互いが必要でした。傷ついて胸が痛むから。弱い自分に悲しむから。だから寄り添って立っていましたが、圧倒的な光、強さを持ったマイカと夜光が二人を引き上げます。「信じてる。愛してる。あなたのためなら死んでもいい」と何度も何度も励まして。

花言葉まとめ
オレンジ…純粋、愛らしさ、花嫁の喜び
レモン…愛に忠実、心からの思慕、熱意、誠実な愛
プルメリア…気品、陽だまり、情熱、内気な乙女、恵まれた人
赤のハイビスカス…勇敢

最後までお読みいただきありがとうございます♡

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